研究課題
基盤研究(B)
本研究はC型慢性肝炎治療におけるインターフェロン(IFN)の応答・不応答のメカニズムを臨床サンプル及びマウスモデルを用いて明らかにすることを目的とする。平成24年度はLaser capture microdisection (LCM)法を用いて、肝浸潤リンパ球(PALT)及び肝細胞を別々に採取し、同一症例における肝細胞、PALT、末梢血液の遺伝子発現の関連を明らかにし、遺伝子発現パスウェイ解析技術を用いて、IL28Bメジャー/マイナーのPALT・肝細胞・末梢血液におけるシグナルパスウェイを解析しCH-C状態でのIL28Bメジャー/マイナーの免疫学応答の違いを明らかにすることを目的とした。末梢血と肝組織のインターフェロン誘導遺伝子(ISGs)発現を148例のC型慢性肝炎で比較したところ、IL28Bメジャーでは両者の発現に有意な相関が見られたが、IL28Bマイナーでは両者の発現の相関が消失していた。LCMを用いた肝小葉部とPALTの発現解析では、IL28Bメジャーでは両者のISGs発現に相関が見られたが、IL28Bマイナーでは両者の相関が消失しており、肝浸潤リンパ球の肝小葉とPALT間の移行がIL28Bマイナーでは障害されていることが示唆された。免疫組織染色では、CD163、CD8細胞の肝小葉での減少がIL28Bマイナーで確認された。また、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、B細胞、顆粒球の細胞表面マーカーの発現もIL28Bマイナーの肝臓で減少していることが確認された。さらに、各種ケモカインの発現もIL28Bマイナーの肝臓で減少しており、免疫担当細胞の減少がIL28Bマイナーの肝臓で起こっていることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
臨床症例におけるIL28Bメジャー/マイナ0の免疫学的違いが明らかとなった。さらにIL28Bノックアウトマウスの解析が進行中であること.
臨床検体を用いてIL28Bメジャー/マイナーでの肝組織ISGs誘導を制御する分子を明らかにする。IL28Bノックアウトマウスモデルを用いて、IL28Bの生理機能を明らかにする。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (3件)
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