本研究はC型慢性肝炎におけるIFN応答・不応答の機序をIL28Bに注目して解析した。末梢血と肝組織のIFN誘導遺伝子(ISGs)発現解析から、IL28Bマイナーでは両者の発現の相関が消失し、肝臓での免疫担当細胞の減少が起こっていた。IL28Bマイナーではnon-canonical wntリガンドであるWnt5Aの発現亢進が認められ、Wnt5Aは肝細胞のISGsの誘導、ストレス顆粒蛋白G3BP1の発現誘導とHCV複製増強、さらにはケモカインの発現抑制を促し肝での免疫細胞浸潤の低下を誘導していると考えられた。IL28B・KOマウスの解析から、IL28Bと肝細胞浸潤との直接的な関連が示唆された。
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