研究課題
2015年2月17日現在、大阪大学消化器センターで治療を行い、臨床経過が確実に追跡可能な症例の腫瘍組織から腫瘍細胞の単離培養を試み、19/20例においてCTOS形成を認めた。抗癌剤や低分子分子標的治療薬に関しては、細胞培養下のCTOS間で薬剤感受性に個体差が検出され、マウス皮下移植モデルにおける薬剤感受性の個体差と一致することを確認した。当院で大腸癌の術後に化学療法を施行し、CTOSにて感受性検査を施行した症例では、XELOX+Bev4コース+XELOX1コースによる化学療法を施行し、長期間における肝転移巣の腫瘍抑制効果が確認されているが、CTOSを用いたin vitroの検討でも5-FU、SN-38に対する感受性が確認されている。今後再発がみられた場合にはirinotecanを用いたメニューによる化学療法への変更により、抗腫瘍効果が認められる可能性が示唆された。モノクローナル抗体製剤(高分子薬剤)に関しては、マウスの皮下移植モデルで薬剤感受性を示すCTOSが細胞培養系では薬剤感受性を示さず、CTOSの薬剤感受性に移植モデルと細胞培養の間で乖離が認められた。生体での微小環境をmimicする目的で低グルコール・低酸素条件下での培養・感受性検査を行ったが、in vivo、in vitro間で薬剤の感受性に相関は得られなかった。spheroid形成に伴う細胞間接着がdrug penetrationを妨げている可能性を考慮し、浸透性を高めるようにEDTAやEtyle oleate存在下に細胞培養を行い、薬剤感受性を検討したところ、細胞培養系でも抗体製剤に対して感受性を示すようになり、薬剤感受性に関して臨床経過と相関する可能性の高い細胞培養条件を確立することができた。現在、臨床的な化学療法の感受性と同薬剤に対するCTOSの感受性を検討するとともに、chemical screeningシステムを用いてCTOSに対して感受性を示す薬剤をスクリーニングし、2次、3次療法の候補薬剤を拾い上げる検討を継続している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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