研究課題/領域番号 |
24390194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
倉林 正彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
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研究分担者 |
磯 達也 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10400756)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | FGF23 / 血管平滑筋細胞 / 骨芽細胞 / オステオプロテジェリン / 慢性腎臓病 / 血管石灰化 / 遺伝子 / 転写因子 |
研究概要 |
慢性腎臓病(CKD)患者では高率に血管石灰化が見られる。血管石灰化は内膜石灰化と中膜石灰化に大別されるが、いずれの石灰化も心血管イベントの発症を増加させる。しかしながら、血管石灰化の詳細なメカニズムについては未だ解明されていない。本研究研究計画にしたがって、腎不全患者の血中に高レベルで存在するFGF23(fibroblast growth factor 23)が血管石灰化を直接、調節する作用を有するか否かを検討した。その結果、血管平滑筋細胞HASMCには、FGF23の受容体であるFGFR1-4およびco-receptorであるKlothoが発現していること、FGF23はFGFR/Klotho複合体を介して、HASMCにて細胞内情報伝達系を活性化することを明らかにした。また、FGF23を培養血管平滑筋細胞に強制的に発現させると、リンによる骨芽細胞特異的因子(オステオポンチン、オステオカルシンなど)発現誘導が抑制されること、およびアルカリホスファターゼの活性上昇が抑制されることを見いだした。また、興味深いことに、骨芽細胞分化を抑制するオステオプロテジェリン(POG)の遺伝子発現と蛋白発現が有意に増加することを見いだした。さらに、そのメカニズムを詳細に解析した結果、FGF23は転写因子Sp-1、Egr1の発現を増加させることが明らかになった。したがって、FGF23は、リンが血管平滑筋細胞を骨芽細胞へ分化誘導するのを抑制し、血管保護効果を発揮する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FGF23の血管平滑筋細胞への直接効果を検討できている。
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今後の研究の推進方策 |
FGF23が、血管平滑筋細胞に直接作用を及ぼす機構をさらに詳細に検討する。そのため、Klothoのノックダウンの系を確立する。
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