研究課題
基盤研究(B)
I)オピオイドの抗血管新生治療への応用、II)RSK阻害による血管新生治療法の開発、及びIII)血管作動性miRを用いた血管新生制御法の開発、の3項目の検討を行う。当該年度には、I)オピオイドの抗血管新生抗腫瘍治療への応用、II)RSK阻害による血管新生治療法の開発を行い、I)カッパオピオイド受容体アゴニストが非小細胞型肺がん細胞の増殖に抑制的に働くことを明らかにし論文発表した(Kuzumaki, Br.J.Cancer ,2012)。II)関してRSK4がPKAに結合してその活性を抑制することにより、血管内皮細胞の分化に対する新しいnegative regulatorとして働いていることを明らかにした。生体における血管発生過程においてもRSKは内皮分化抑制的に作用しており、RSKの作用を阻害剤により抑制すると血管内皮分化と血管形成の異常な促進が観察された。RSKの血管形成における新しい意義を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
オピオイドに関しては、ES細胞分化における意義の解明から発展して、腫瘍細胞における意義を明らかにすることに成功した。現在さらに成体でのがん進展におけるオピオイドの意義を検討している。RSKアイソフォームの同定と胎生期の血管形成における意義を明らかにすることに成功した。miRの標的分子の同定にほぼ成功している。以上より、研究進捗はおおむね順調に進展していると考えられる。
現在行っている研究を進展させることで問題ないと考えられる。すなわち、オピオイドの成体における意義、特に腫瘍進展における意義をノックアウトマウスを用いて解析するRSKの生体における意義をさらに解析する。miRの標的分子とその生理的意義を明らかにする。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)
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