研究課題
「研究目的」気管支喘息患者の約10%はステロイド抵抗性の重症喘息である.抗IgE抗体療法が重症喘息で有効性を示すことから.IgE抗体およびIgE受容体陽性細胞が重症喘息の病態に関わることが示されているが,詳細な分子機構は不明である.申請者らは,IgE受容体のシグナルを抑制する免疫受容体,アラジン-1(Allergin-1)を同定した.Allergin-1遺伝子欠損マウスに喘息を誘導し,Allergin-1が重症喘息治療の標的分子となりえる可能性を見出した.そこで,Allergin-1の喘息における役割を明らかにすることを目的として,平成25年度では,Allergin-1リガンドを同定することを試みた.更に,肥満細胞欠損マウスを用いて,肥満細胞上におけるAllergin-1の機能を明らかにした.「研究成果」1,マウスおよびヒトAllergin-1Fcが分子Xに結合することを新たに見出した.更に,これが機能的にもAllergin-1リガンドであることを肥満細胞を用いたin vitroの系で明らかにした.2,Mas-TRECKマウスにジフテリア毒素を投与した後,野生型またはAllergin-1遺伝子欠損型肥満細胞で再構築して,肥満細胞特異的にAllergin-1を欠損するマウスを樹立し,喘息を誘導し,肥満細胞上のAllergin-1の喘息における機能を明らかにした.
2: おおむね順調に進展している
平成25年度ではAllergin-1リガンドとして2つの分子を同定した。さらに、Allergin-1遺伝子欠損マウスにおいて,肥満細胞上のAllergin-1の喘息における役割を明らかにした.
1,平成26年度では、in vivoにおけるAllergin-1リガンドの機能を明らかにする。具体的にはリガンド分子を生体に投与することで、局所のアナフィラキシー反応の病態を指標に評価する.2,さらに、in vivoにおけるリガンド分子の局在を明らかにし、Allergin-1とリガンド分子の共局在を明らかにする.3,樹状細胞上のAllergin-1の喘息における役割を引き続き解析する.
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Plos One
巻: 8 ページ: 1-8
(DOI: 10.1371/journal.pone.0076160
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