研究課題/領域番号 |
24390207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 裕史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00322024)
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研究分担者 |
廣瀬 晃一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (90400887)
須藤 明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50447306)
鈴木 浩太郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任助教 (90554634)
高取 宏昌 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30568225)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / Th17細胞 / IL-23 / Dectin |
研究概要 |
近年、難治性喘息患者の気道ではIL-17産生の亢進と好中球性炎症がみられるなど、通常のTh2細胞型好酸球性炎症による喘息とは異なる病態が関与していることが示された。そして本研究者は気道で産生されるIL-23、ならびにIL-17産生CD4陽性T細胞(Th17細胞)が難治性喘息の病態に寄与していることを喘息モデルマウスを用いて明らかにしたが(Am J Respir Crit Care Med, 2008)、難治性喘息においてIL-23産生とTh17細胞分化が誘導される分子機構は不明であった。他方、最近、Dectin-1とDectin-2からのシグナルによる樹状細胞の活性化がTh17細胞分化を誘導すること、主要アレルゲンであるダニ抗原が気道上皮細胞および樹状細胞のDectin-1とDectin-2を活性化することが報告された。以上より、喘息の難治化にこれらの細胞上のDectin分子の活性化によるTh17細胞型気道炎症の誘導が関与していることが推測されるが、その詳細は不明である。そこで本研究では、難治性喘息で認められるIL-23産生とTh17細胞分化におけるDectin分子の役割、およびその作用機構を解明することを目的とした。 平成24年度の研究では、チリダニ(HDM)誘導性喘息モデルにおけるDectin-2の役割をDectin-2欠損マウスを用いて検討した。その結果、Dectin-2欠損マウスにおいてはHDM誘導性喘息モデルにおける好酸球性気道炎症、気道におけるTh2サイトカインの産生、ムチンの産生が低下することが明らかとなった。現在、その分子メカニズムを解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既にDectin-2欠損マウスにおいてHDM誘導性喘息モデルの表現型が減弱していることを見出しており、コアとなるデータも得られている。
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今後の研究の推進方策 |
Dectin-2欠損マウスにおいてHDM誘導性喘息モデルの表現型が減弱する分子メカニズムについて、抗体を用いた研究、Dectin-2発現細胞の同定、Dectin-2欠損樹状細胞におけるサイトカイン産生を検討することにより明らかにする。さらにDectin-1欠損マウスの解析も進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
抗体、マウス、培養関連試薬、分子生物学的試薬、等の消耗品費として使用する。
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