研究課題
前年度に引き続き、ヒトならびにラット腹膜中皮初代培養細胞を用いたカルボニルストレスによる細胞障害機序の解明を試みた。ラットにカルボニルストレスの一種であるメチルグリオキサール(MG)を腹腔内投与した後に大網より腹膜中皮初代培養細胞を調整して上皮間葉転換(EMT)に関わる遺伝子群等の発現量をRT-PCR法により評価したところ、MG投与によりmatrix metalloproteinase-2 (MMP2) ならびにα-smooth muscle actin (α-SMA)の発現上昇、ZO-1ならびに cytokeratin18の発現低下を認めた。詳細な解析のためにMGを分解するグリオキシレース1(GLO1)発現プラスミドの導入による強制発現系の確立を試みたが、初代培養細胞においては充分な発現誘導を得ることができなかった。一方で昨年度にDahl食塩感受性高血圧ラットを用いた検討からMGによる心腎障害にレニンアンジオテンシン系(RAS)の関与が明らかとなったこと、RASは免疫反応を増強することが報告されていることから、ANCA関連腎炎の症例を対象とし浸潤する免疫細胞における(P)RR発現を免疫染色により検討したところ、腎炎症例では浸潤する免疫細胞において(P)RR発現を認めた。さらに、ヒト免疫細胞を対象としてレニン刺激後のサイトカイン分泌やシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現に対する(プロ)レニン受容体[(P)RR]の関与について検討したところ、レニン刺激後Interleukin(IL)-6の分泌やCOX-2発現は刺激前と比べ有意に高く、これらはERK阻害剤の下で抑制された。これらの結果より、PBMCに発現する(P)RRは機能的であり免疫反応に関与していることが明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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