研究課題
PD患者17人に1回目の[11C]BF-227 PET撮影を施行した。そのうち、9人に平均約2.5年の間隔をおいて、2回目の[11C]BF-227 PET撮影を施行した。1回目と2回目の撮像条件は同様で[11C]BF-227 投与後60分間のPETダイナミック撮像で行った。認知機能、嗅覚機能、運動機能の指標として、それぞれMMSE、OSIT-J、UPDRS (motor score) を用いた。解析にはPMOD ver3.6 (PNEURO)を用いて、各個人のMRI画像をテンプレートにして自動的に前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、中心前回、補足運動野、帯状回、尾状核、被殻、淡蒼球、視床、扁桃体、嗅皮質、延髄、中脳、小脳領域にROIを設定した。小脳を参照領域とし、各領域と小脳との比(SUVR)を用いて、15人の正常コントロール群(年齢:58.9±13.5年、性別 M/F:10/5、MMSE score:29.9±0.2)と比較した。統計解析にはMann-Whitney U test、paired T-testを使用した。その結果、PD患者群は正常コントロール群と比較して、前頭葉、側頭葉、中心前回、補足運動野、帯状回、被殻、淡蒼球において有意差をもって[11C]BF-227の集積亢進を認めた。経時的には、前頭葉と補足運動野で集積の増加を認めた。この補足運動野領域とOSIT-JならびにMMSEのスコアと相関を認めた。集積亢進を示したこれらの領域はPDの病理でレビー小体が比較的多い領域と一致してしていた。アルツハイマー病にみられる側頭頭頂から後頭葉領域での集積亢進とは異なっており、PDでの[11C]BF-227集積亢進はアミロイドβを反映していないと考えられた。また、経時的変化における補足運動野での[11C]BF-227集積の増加は認知機能悪化との関連が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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