ポリグルタミン(pQ)病は遺伝子内のCAG繰り返しの延長により翻訳産物中のグルタミン(Q)鎖の延長が生じて発症する.Q鎖は遺伝子産物全体の構造を不安定にし,凝集させ細胞核内での毒性を発揮する.pQ病の治療戦略を考える際には細胞核内の凝集タンパク質分解経路を理解する事が重要となる.細胞核内ではオートファジーが機能せず,ユビキチンプロテアソーム(UPS)系のみが主なタンパク質分解経路となる.我々は,まず細胞核内で機能するpQ認識E3としてUHRF2を特定した.このため,このUHRF2の活性化は治療戦略の一つとなる事を示した.さらに,我々は,HDAC3が細胞核内のUPS系を制御する事を発見した.
|