研究課題
パーキンソン病 (PD) はその多くが孤発性だが、約10%の患者は近親者に複数の発症者を認める家族歴がある。従ってパーキンソン病の病態を理解するためには、患者の遺伝的背景を明らかにすることが非常に重要である。vacuolar protein sorting 35 (VPS35) は欧米の高齢発症優性遺伝性パーキンソン病家系からエクソーム解析法を用いて単離された常染色体優性遺伝性パーキンソン病 (ADPD) の新規原因遺伝子である。一昨年、我々はD620N (c.1858G>A) を優性遺伝性PD 3家系 (1.0%)、孤発性PD 1例 ( 0.23% ) からヘテロ接合体の家系が本邦にも存在することを報告した。本年度はVPS35の機能異常がパーキンソン病に与える影響を明らかにすべく培養細胞とマウスにVPS35の病的変異体を一過性あるいは安定的に発現させin vitroあるいはin vitroにおける神経細胞死を評価すべく実験を開始した。
2: おおむね順調に進展している
病的変異体の発現の程度によりマウスの繁殖能力に影響を与える印象があり繁殖にやや時間がかかっているがおおむね順調である。
培養細胞あるいはトランスジェニックマウスを用いた機能解析を継続する。
病的変異体の発現の程度によりTGマウスの繁殖能力に影響を与え、繁殖にやや時間がかかり研究の進行がややずれこんでいる。そのため備品などの消耗品の使用も遅れ、経費も次年度にずれこんだ状況である。引き続き、培養細胞あるいはTGマウスを用いた機能解析を継続する予定である。
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