研究課題/領域番号 |
24390226
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
北條 浩彦 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 神経薬理研究部, 室長 (60238722)
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研究分担者 |
永井 義隆 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第4部, 室長 (60335354)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | RNAi / パーキンソン病 / 多重重複変異 / α‐シヌクレイン / ショウジョウバエ |
研究概要 |
パーキンソン病のkey遺伝子であるα-シヌクレイン遺伝子は、その塩基配列変化(変異)だけでなく、正常型遺伝子の遺伝子増幅(多重重複変異)または高発現によってもパーキンソン病の発症に関与する。しかしながら、その様な原因で発症するパーキンソン病に対して未だ根本的な治療法は確立されていない。本研究は、RNA interference (RNAi)の新しい利用法として遺伝子発現量補正型RNAiノックダウン法を新たに開発し、それを用いてα-シヌクレイン遺伝子発現増幅に起因するパーキンソン病に対する新しい治療法の確立を目的とする。 本年度は、パーキンソン病ショウジョウバエモデルを用いたα-シヌクレイン遺伝子発現量補正型RNAiの実証実験を行うための準備実験を主に行った。まず、昨年度に決定した遺伝子発現量補正型RNAiを誘導するsiRNAを基にショウジョウバエ細胞内でも同様の効果が得られるかを検討した。昨年度構築した評価用のレポーター遺伝子を全てショウジョウバエ細胞内で発現できるように発現ベクターを再構築し、ショウジョウバエS2細胞を用いて評価を行った。その結果、昨年度ヒトHeLa細胞で示されたノックダウン効果よりも強いRNAiノックダウン効果が得られた。そこで、ショウジョウバエ細胞内で遺伝子発現量補正型RNAiを可能にするために新たなsiRNAそしてshRNAの設計と評価を行った。一連の評価スクリーニングの結果、目的とするsiRNAとshRNAを決定することができた。さらにショウジョウバエモデル作出のためのshRNA発現ベクターの構築と評価も行い、モデルの作出を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はショウジョウバエ細胞に適した遺伝子発現量補正型RNAiを誘導するsiRNAそしてshRNAの設計と評価を行った。ヒト(哺乳動物)とショウジョウバエのRNAi活性に違いがあるためその評価スクリーニングには困難が予想されたが、ミスマッチの導入や長めのshRNAを構築するなどの工夫により目的とするsiRNAそしてshRNAを得ることができた。また、ショウジョウバエモデルの作出も無事順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでおり、来年度(H26年度)における研究計画の変更は考えていない。
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