研究課題
基盤研究(B)
本プロジェクトは患者病態を忠実に反映するマウスモデルの開発に成功しており(24年度にジャクソン研究所のホームページで紹介:http://jaxmice.jax.org/news/2012/Myasthenia_gravis.html)、それを使って発症・病態メカニズムに基づく有効な治療薬・治療法を開発することを目的としている.(1)MuSK MGを改善する3.4-DAPをモデルマウスに投与し作用機序と効果の解析.本年度上半期に3,4-DAPがマウスモデルに対して有効であることを論文発表した.海外のグループが、我々の研究結果を追試して同じ結果を25年に発表して、我々の結果が正しいことを示した.我々の結果を基に、MuSK MG患者に対する3,4-DAPの臨調試験が国内外で開始された.(2)Th2細胞による自己抗体産生制御MuSK MGの自己抗体は補体結合能を欠くIgG4サブクラスがほとんどを占めており、Th2細胞が自己抗体産生を制御していると予想される.また、我々の開発した疾患モデルマウスでもMuSK抗体が系統差なくTh2サイトカインで制御されるIgG1サブクラスが主体であること発見し論文投稿した(Autoimmunity review,25年度アクセプト済).引き続き、Th2細胞の免疫制御を標的とした治療法を検討する.(3)発症メカニズムに関与する蛋白分解酵素系の検討.MuSK MG患者、疾患モデルのMuSK MG抗体はMuSKを活性化するにも関わらず、MuSK機能を抑制する.自己抗体刺激はMuSKシグナル分子のDok7を分解するがプロテアソーム阻害剤で抑制されないことを発見した.(4)疾患モデルに対するラバマイシンの有効性を検証当初計画には含まれていなかったが、(2)との関連からラバマイシンを疾患モデルマウスに投与したところ有効である可能性が示された.次年度以降、この検証と作用機序を追加して解析する..
2: おおむね順調に進展している
当初計画の研究計画の項目を遂行したが、TH2産生阻害剤、プロテアソーム阻害剤のin vivo投与実験は次年度に繰り越した.一方、初年度において当初計画以外に新たな治療法(ラバマイシン)についてin vivo投与により有効性の可能性を見いだした.
当初計画に加え、新たな治療法(ラバマイシン)についても有効性と作用機序について次年度以降検討する.
新たな治療法の可能性を発見したため、初年度の研究費の使用計画を変更して次年度計画で遂行する.
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