本研究は、LR11欠損にともなう脂肪細胞トランスディファレンシエーションの病態生理と脂肪細胞の分子機序を、LR11を過剰発現する白血病細胞やLR11が枯渇してアルツハイマー病を発症する神経組織解析とあわせて、解明することを目的とした。トランスディファレンシエーションの分子基盤を提示し、細胞フェノタイプ変換を調節する可溶性LR11産生に重要なシェディング機構を明らかにした。本研究成果から、可溶性LR11が白色脂肪細胞の褐色化やベージュ化のネガティブレギュレーターであることが明らかになり、その放出を修飾することが新たな肥満や糖尿病治療の創薬標的になる可能性がある。
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