研究課題
<1> 膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析:マイクロアレイやプロテオーム解析で同定された分子群の遺伝発現を、膵β細胞増殖が関与する高脂肪食負荷モデル、膵切除モデル、妊娠モデル、ob/obマウス、db/dbマウス、Akitaマウス、Gck+/-マウス、IRS-2欠損マウス、p85α欠損マウスといった病態モデルマウスにおいても解析した。これらのモデルにおける個々の遺伝子の発現の違いから、病態に応じたグルコースシグナルの役割を検討した。<2> 膵β細胞増殖におけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割:膵切除後膵β細胞増殖機構における責任分子同定のため、Sham手術と膵切除施行後の単離膵島における遺伝子発現マイクロアレイを施行した。新規分子をクローニングし、単離膵島や膵β細胞株で過剰発現もしくは発現低下させ、GKAやグルコースシグナルの影響を検証した。食事中のリノール酸やパルミチン酸による膵β細胞障害モデルにおけるグルコキナーゼの役割を、Gck+/-マウスやGKA投与による治療効果を用いて解析した。<3> 膵β細胞アポトーシスにおけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割:グルコキナーゼおよびその下流分子の小胞体ストレス誘導性アポトーシスにおける役割を明らかにするために、Akitaマウスと各遺伝子改変マウスを掛け合わせ、グルコキナーゼ欠損Akitaマウス、IRS-2欠損Akitaマウス、膵β細胞特異的IRS-2過剰発現Akitaマウスを作製し、糖尿病発症や小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスに対するグルコキナーゼおよびIRS-2を介した小胞体ストレス制御の役割を個体レベルで解析し、生体内での意義を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度は膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析、膵β細胞増殖におけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割の検討、膵β細胞アポトーシスにおけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割の検討を計画しており、ほぼ予定通りに研究が進行し、数編の論文化もできた。マイクロアレイやプロテオーム解析で同定された分子群の遺伝発現を、膵β細胞増殖が関与する高脂肪食負荷モデル、膵切除モデル、妊娠モデル、ob/obマウス、db/dbマウス、Akitaマウス、Gck+/-マウス、IRS-2欠損マウス、p85α欠損マウスといった病態モデルマウスにおいても解析できた。これらのモデルにおける個々の遺伝子の発現の違いから、病態に応じたグルコースシグナルの役割を検討することができた。。膵切除後膵β細胞増殖機構における責任分子同定のため、Sham手術と膵切除施行後の単離膵島における遺伝子発現マイクロアレイを施行した。新規分子をクローニングし、単離膵島や膵β細胞株で過剰発現もしくは発現低下させ、GKAやグルコースシグナルの影響を検証し、論文化できた。食事中のリノール酸やパルミチン酸による膵β細胞障害モデルにおけるグルコキナーゼの役割を、Gck+/-マウスやGKA投与による治療効果を用いて解析できた。グルコキナーゼおよびその下流分子の小胞体ストレス誘導性アポトーシスにおける役割を明らかにするために、Akitaマウスと各遺伝子改変マウスを掛け合わせ、グルコキナーゼ欠損Akitaマウス、IRS-2欠損Akitaマウス、膵β細胞特異的IRS-2過剰発現Akitaマウスを作製し、糖尿病発症や小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスに対するグルコキナーゼおよびIRS-2を介した小胞体ストレス制御の役割を個体レベルで解析し、生体内での意義を明らかにできた。これらの成果も論文化できた。
平成26年度は膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析を計画している。既にDNA発現マイクロアレイ、およびラージスケールプロテオーム解析にてGKAを作用させた時や膵切除後において作用する新規分子群を同定している。細胞レベルでの機能解析を進め、興味深いものについては、ラットインスリンプロモーターカセットを用いて膵β細胞特異的過剰発現マウスを作成する、あるいは他の研究室で樹立されている遺伝子改変マウスを共同研究にて供与していただき、個体レベルでの機能解析も進める予定である。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Endocrinology
巻: 155(5) ページ: 1643-52
巻: 155 ページ: en20132032
2014 Apr 8:en20132032. [Epub ahead of print]
巻: 154 ページ: 54-64
PloS One
巻: 8 ページ: e64633
10.1371/journal.pone.0064633
Diabetes
巻: 62 ページ: 3448-3458
10.2337/db13-0052
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~nai3naib/