研究課題/領域番号 |
24390237
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
海老原 健 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70362514)
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研究分担者 |
阿部 恵 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (20568688)
日下部 徹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60452356)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セイピン / 脂肪萎縮症 / ラットモデル |
研究実績の概要 |
我々はこれまでに、セイピンKOラットを作製し、その解析を通して1)脂肪細胞の発生・文化におけるセイピンの機能的意義に関する検討、2)中枢神経系におけるセイピンの機能的意義に関する検討、3)精子形成におけるセイピンの機能的意義に関する検討について検討してきた。1)に関してはこれまでにセイピンが脂肪細胞のマスターレギュレーターであるPPARγの発現調節に関与しているのみならず、ホルモン感受性リパーゼの活性調節等を介して脂質分解の調節にも関与していることを明らかにしてきた。さらに26年度は線維芽細胞成長因子1(FGF-1)が脂肪細胞分化におけるセイピンの役割を補うことができることを明らかにした。今後、セイピン遺伝子異常症における脂肪萎縮症治療薬としてのFGF-1の可能性を検討する。2)に関してはこれまでにセイピンKOラットでは空間作業記憶が低下していることを報告してきた。26年度は空間作業記憶低下の原因を検討するために海馬や大脳皮質、小脳におけるグルタミン酸受容体の発現を検討したが、明らかな変化は認められなかった。3)に関してはこれまでにセイピン遺伝子は精子の分化課程後期に発現することを報告してきた。今回、精子低形成の原因として精原細胞の異常だけではなくセルトリ細胞の異常である可能性も考え、精原細胞は正常でセルトリ細胞を欠くsl/slマウスおよびセルトリ細胞は正常で精原細胞を欠くw/wマウスを用いてセイピン遺伝子の発現を検討したが、セイピンは精原細胞のみならずセルトリ細胞にも発現していないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度の途中で所属研究機関が京都大学から自治医科大学に変わり、自治医科大学での研究環境のセットアップに時間を要した。本研究はセイピンKOラットを中心に解析を行うものであるが、セイピンKOラットを含めた実験動物の移動については検疫などの結果、再度SPF化が必要と実験施設より判断され、その作業に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの達成度】に記載したように26年度は所属研究機関が変わったことによる研究環境のセットアップ、実験動物の移動に時間を要したが、これららの作業も順調に進んでいる。27年度はまた実験動物の繁殖を行い、研究を促進する。 また、現在我々が有しているセイピン遺伝子異常症のコホートを用いてこれまでに得られた知見をヒトにおいても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の途中で所属研究機関が京都大学から自治医科大学に変わり、自治医科大学での研究環境のセットアップに時間を要した。本研究はセイピンKOラットを中心に解析を行うものであるが、セイピンKOラットを含めた実験動物の移動については検疫などの結果、再度SPF化が必要と実験施設より判断され、その作業に時間を要した。これにより研究の進行に多少の遅延が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
実験動物のSPF化も順調に進み、今後また、実験動物の繁殖や飼育管理、遅延した研究計画の実施に再度、使用する。
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