研究課題
高齢化社会に伴い骨粗鬆症の急激な増加にもかかわらず、その治療薬の選択肢は決して十分ではない。その病態の中心に位置する骨リモデリングは骨形成と骨吸収のバランスで制御されているが、その本質は骨芽細胞と破骨細胞の機能調節である。骨エピジェネティクス制御が次世代型創薬ターゲットとして期待される中で、骨芽細胞と破骨細胞のクロマチンレベルでの制御分子機構はほとんど明らかにされていない。そこで、破骨細胞分化のマスターレギュレターであるNFATc1に着目し、クロマチン機能とエピジェネティクスを制御する転写因子複合体ネットワークに重要な分子群に対して、転写因子NFATc1の複合体解析を行い、機能的会合分子としてWHSC1を同定した。また、新規のリン酸化/アセチル化部位を同定して、その配列もチーフから上流シグナルの探索を行った。また、次世代型シークエンサーを用いてRANKL刺激における遺伝子発現変化を、RNA-seqでのゲノムワイド解析を行った。その結果、RANKL-RANKシグナルを介したNFATc1シグナルを中心とした遺伝子制御が確認され、TRAP、Calcitonin receptor、Cathepsin K、Integrin β3、DC-STAMPなどのNFATc1下流遺伝子は6倍以上の転写誘導が認められた。一方、興味深いことに最近注目を集めている長鎖非翻訳性RNA(linc RNA)も多数認められ、破骨細胞分化における新たな機能制御機構の存在が示唆された。ChIP-seqによるヒストンコード解析と組み合わせ、シグナル依存的・経時的変化を解析を行って、投稿予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
J Biol Chem
巻: in press ページ: in press
10.1074/jbc.M114.621524