研究課題
本研究は白血病幹細胞のニッチを標的とした新規治療法を開発することを目的としている。申請者らは放射線照射後あるいは抗癌剤投与後に骨髄ニッチ領域にplasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)が誘導されることを見出し、われわれが開発したPAI-1阻害剤(TM5275)を投与すると造血幹細胞がニッチより離脱して細胞周期に入ることを確認している。この作用をニッチに存在し治療抵抗性である白血病幹細胞の治療に応用する。具体的には研究期間内に、1)TM5275によるニッチ構成細胞における遺伝子発現変化を解析する、2)マウス白血病モデルでTM5275の至適投与法を検討する、3)ヒト白血病および骨髄異形成症候群モデルマウスでTM5275を併用した新規治療法を開発する。本年度は化合物投与により造血幹細胞が枯渇しないことをマウス実験系を用いて確認した。また、bcr-abl遺伝子導入マウス細胞を用いて本剤の治療効果を確認した。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り研究を推進した。
ヒト慢性骨髄性白血病細胞株であるK562をNOGマウスに移植し、ヒト細胞での治療効果を確認する。
新年度早々に購入予定の抗体が生じたためhuman CD138を購入予定
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