我々は、線溶制御因子であるPAI-1が骨髄ニッチに発現し、造血抑制因子として機能することを見いだした。そして、新規PAI-1阻害剤により造血再生が促進することを明らかにした。本研究課題では、(1)がん幹細胞にPAI-1が高発現していること、(2)PAI-1高発現がん細胞は治療抵抗性であること、(3)がん特異的な分子標的薬にPAI-1阻害剤を併用すると顕著な抗腫瘍効果を発揮することを見いだした。すなわち、がん幹細胞の治療抵抗性獲得にPAI-1が重要な役割を担っていることが示唆され、PAI-1活性の阻害はがん治療において有効性が高いことを明らかにした。
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