研究課題
血栓症は凝固制御因子や血小板凝集抑制因子の機能低下がリスクとなる。私達は、血管内皮細胞が示すプロテインC抗凝固機構を構成する凝固制御因子プロテインS のK196E変異が、静脈血栓塞栓症の遺伝的リスクであることを報告した。本変異は、日本人約55人に1人に見られ、ホモ接合体は約10,000人に1人と計算された。一方、血小板凝集抑制因子の機能低下がリスクとなる血栓症として、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)がある。TTPは、ADAMTS13の活性著減による超巨大フォンビルブランド因子(VWF)マルチマーの蓄積が原因である。私達は50家系以上の先天性TTP患者のADAMTS13遺伝子解析や、ADAMTS13の特異的蛍光合成基質を開発してきた。本研究は、私達がこれまで行ってきたこれら2つの抗血栓制御因子の解析を進め、日本人の血栓症発症のメカニズムを解明し、それらを血栓症の予防・予知に資することにある。本研究で私たちは、プロテインS K196E(PS-K196E)変異体の簡便な測定系を開発し、変異保有者の同定を行うシステムの開発に成功した。すなわち、私たちはPS-K196E変異特異的モノクローナル抗体を作製し、このモノクローナル抗体を用いて、血漿中のPS-K196E変異体を検出するサンドイッチELISA法を確立した。本測定法を用いると野生型PSと変異型PS保有者を迅速・簡便に識別できる。本測定法は、遺伝子解析を行わずに変異の同定ができるため、本邦における血栓症の予防や診療に有用であると考えられた。ADAMTS13の触媒ドメイン(M)を含むMDTSC領域およびADAMTS13のC末端に位置するCUBドメインをCHO細胞を用いて発現させ精製し、結晶化条件を詳細に検討した。しかし、立体構造解析に適した回折データを得ることができる結晶はできなかった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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