研究課題
アレルギーを含む多因子疾患において、近年複数の稀な遺伝子変異が疾患発症に強い影響を持つことが明らかとなり、これらの稀な変異により喘息の強い遺伝率を説明することができると考えられている。そこで申請者は次世代シークエンサーを使用し気管支喘息のエクソーム解析により疾患発症に強い影響を与える遺伝子の同定をおこない現在までのゲノム解析では達成されていない発症予測、個別化医療、分子標的薬の開発に発展させることを本研究の目的とした。エクソームの場合にはより重症度が高い患者をターゲットとすることが、原因遺伝子変異の同定につながることが予想されるため、今年度は難治性喘息の患者およびコントロールサンプルを対象として、最新のバージョンの試薬(SureSelect V5, Agilent)およびソフトウェア(LifeScope 2.5ならびにGenome analysis toolkit (GATK, version 2.8)を使用して解析条件のoptimizationを行った。コントロールについてはin-houseのもの以外にも公共データベース(http://www.genome.med.kyoto-u.ac.jp/SnpDB/manual.html等)も参考にした。解析条件が常にアップデートされており、いくつかの解析法を並行して施行して最適な条件について検討した。いくつかの候補の変異は存在するがサンプルサイズがいまだ小さいために確定には至っていない。
2: おおむね順調に進展している
exome解析はいまだ発展途上であり試薬も解析法も頻回に変更になるため、どの条件や実験法がよいのかについてのoptimizationに時間が必要となった。しかし大体のめどはついたため次年度の最終報告にむけての準備を整えることができたと考えている。
実験や解析法のoptimizationはほぼ完了したのでexome解析のサンプルサイズを増やし、独立した多検体で二次解析を行い最終的に原因となる遺伝子変異の同定に努める。
次世代シークエンサーの試薬についてはアップデートが頻回であること、ならびに実験が複雑であることから実験条件の最適化をおこなうために時間を要した。そのため本年度の解析予定数が減少した。実験条件の最適化は今年度行うことができたため次年度に次世代シークエンサーの試薬消耗品代を繰り越すことにより、予算を無駄なく効率的に使用し次世代シークエンサー解析を行う。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
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