研究課題/領域番号 |
24390262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小島 勢二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20313992)
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研究分担者 |
高橋 義行 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40432273)
嶋田 明 岡山大学, 医学系研究科, 講師 (70391836)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 若年型骨髄単球性白血病 / RASシグナル経路 / 全エクソーム解析 / SETBP1 / エピジェネティクス / メチル化解析 |
研究概要 |
13人の若年型骨髄単球性白血病(JMML)患者の白血病細胞と正常細胞からDNAを抽出して、全エクソンシークエンスをおこない、発症に関わる遺伝子変異を探索した。その結果、11例に既知のRAS伝達経路に位置するPTPN11、NF1、KRAS、NRAS、c-CBL変異が同定された。さらに、既知の遺伝子変異の他に、新規遺伝子変異として、SETBP1、JAK3、SH3BP1変異が発見された。 既知の遺伝子に、新規遺伝子を加え10遺伝子の全エクソンについて92人のJMML患者の白血病細胞由来のDNAからアンプリコンを作成し、ディープシークエンスをおこなった。RAS伝達経路以外に位置するSEPBP1、JAK3等の2次的変異が23%の症例に認められ、これらの2次変異は従来予後不良とされているPTPN11/NF1変異がみられた46例では、18例(39%)に検出されたのに対し、残りの46例では、5例(11%)に検出されたのみで予後との関連が推測された。実際、2次変異がみられた群の全生存率は75%で、2次変異がみられない群の30%と比較して有意に良好であった(p=0.01)。今回新規のがん関連遺伝子として発見されたSETBP1は、一部の成人骨髄異形性症候群や骨髄増殖性疾患からも発見され、予後不良因子として報告されている。 同じく、92例を対象に10遺伝子についてメチル化の有無を検討したところ、CDKN2A、BMP4、CALCA、H19、IGF2遺伝子に高メチル化を認めた。これらの5つの遺伝子のメチル化がひとつもない群は、ひとつでもメチル化を示す群と比較して、有意に無移植生存率が低かった(p=0.009)。さらに、多変量解析でも、メチル化の有無は、PTPN11/NFI変異や、染色体異常の有無と独立して、有意な予後不良因子であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24、25年度に予定されていた92例の若年骨髄単球性白血病患者の1)遺伝子プロモーター領域におけるメチル化プロファイルの検討2)次世代シークエンサーによる新規原因遺伝子の探索はほぼ終了した。1)については、高メチル化をしめす遺伝子の同定、予後に与える影響、2)についても、RASシグナル経路以外にあらたに2次変異として新規がん関連遺伝子であるSETBP1を発見し、現在、論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
若年型骨髄単球性白血病の治療に有用な候補薬剤のスクリーニングを予定していたが、この度、有力な製薬企業から、本症に対するMAPh経路を標的にした分子標的薬の臨床開発を打診され、今後はこの薬剤を中心に細胞、動物レベルでの検討を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子シークエンス、PCR用の試薬に80万円、細胞培養に必要な試薬として40万円、リン酸化蛋白解析キットに50万円、各種抗体に30万円、免疫不全マウスの購入に70万円、PCR解析装置の購入に100万円を予定している。
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