研究課題
IgA腎症でみられる糸球体炎症でNLRP3インフラマソームが役割を有するかを明らかにするために、NLRP3インフラマソーム、およびその活性化の結果産生されるIL-1β・IL-18の遺伝子発現を、IgA腎症患者の腎生検組織を用いて解析した。IgA腎症8例(組織重症型3例、軽症型5例)と、対照として無症候性蛋白尿7例の腎生検組織におけるNLRP3、CASP1 (caspase 1)、IL-1β、IL-18それぞれの遺伝子発現を検討し、患者では2年間の治療前後の比較もした。その結果、NLRP3、CASP1、IL-1β、で患者と対照間に有意な差を認め、本症発症への関与が示唆された。しかし、治療前後、軽症重症間で有意な差はみられなかった。NLRP3インフラマソーム関連遺伝子多型がIgA腎症の発症・進展に関与するかを明らかにするために食物アレルギーとの関連が証明されている一塩基多型rs4612666とrs10754588につき、IgA腎症患者52名と対照103名において解析した。結果として、rs4612666(Genotype frequencies、C/C:0.5871、C/T:0.3419、T/T、0.071、Allele frequencies、C:0.7581、T:0.2419)、rs10754588(Genotype frequencies、G/C:0.5548、C/C:0.2258、G/G:0.2194、Allele frequencies、C:0.5032、G:0.4968)を得た。患者と対照を比較したところ、rs4612666において、ドミナント、レセッシブ、コドミナント、アレルの全てのモデルにおいて有意な差がみられ、アレル比においてはP=0.00088、オッズ比2.4 (95%CI[1.4-4.2])であった。リスクアレルの役割が既報と逆であるため、今後の検討が必要であるが、rs4612666のNLRP3インフラマソームの疾患発症への関与が示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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