研究課題
ウイルス検出の感度を高めるために新しいmultiplex PCR法を開発した。これには特にウイルス検出の頻度が低いコサウイルス、ボカウイルス、サフォードウイルスを捉えることを目的とした。2014-2015では約80%の検体でウイルスが陽性であった。ウイルスの混合感染が30%に見られた。さらにノロウイルスのイムノクロマト法では新しく出現したGII.17の感度が悪いことがわかった。ロタウイルスの検出頻度が、前年度(低頻度)と比べ平年並みの30%にみられた。G1P[8]I2が減少し従来のG1P[8]I1が多くなった。G1>G9>G2>G3で見られた。1クリニックからG8(ウシ、ブタ)、またG3(イヌ)に類似する遺伝子が見出された。特に家族内の感染は認められなかった。一方、ロタウイルス下痢症の中にロタウイルスワクチン株による胃腸炎が2%あり、さらにワクチン接種と無関係の1症例(0.3%)でワクチン株を認めた。2014-2015の糞便でノロウイルスが60%に見出された。そのうちほとんどがGIIであった。GII.4(多くはSydney variant)で、GII.3、GII.6が続く。GII.17は10%で認められた。GII.17に対してVLPを作ることが出来た。GII.17に対してHBGAの反応はGII.4と同様であった。ノロウイルス、アストロウイルス、サポウイルス(メルボルン、バージニア型)の細胞培養を試みたが現時点では成功していない。エンテロウイルスD-68の流行が見られているが、その多くは呼吸器症状である。我々は下痢便の1例からこのウイルスを見出した。総じて4年間のわが国の分子疫学が出来た。ロタウイルスワクチンの影響についても知ることが出来た。ノロウイルスはGII.4のVariantが少しずつ変わりながら流行をしていた。コサウイルスなどの新しい下痢症ウイルスの検出が出来た。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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