研究課題/領域番号 |
24390269
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
上條 岳彦 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ, 部長 (90262708)
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研究分担者 |
吉田 英生 千葉大学, 大学院・医学研究院・小児外科, 教授 (60210712)
田尻 達郎 京都府立医科大学, 小児外科, 教授 (80304806)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 小児腫瘍学 / 神経芽腫 / 腫瘍スフェア / 網羅的解析 / がん幹細胞 |
研究概要 |
1.Sphere形成因子の網羅的解析を行った。 1-1.Primary NB Tumor sphere 8検体を樹立し、その中でSphereとadherentの2種の培養が可能な検体を選出した。 1-2.細胞株3種でSphereとadherentの2種の培養が可能な細胞株を選出した。 1-3.標的遺伝子の網羅的解析とその分子機構:腫瘍とそのTumor Sphere、または細胞株でのTumor Sphere細胞とadherent細胞の発現遺伝子を網羅的解析によって比較し、その分子機構及び意義を解析した。 1-3-1.Sphere特異的発現遺伝子(miRNAを含む)の網羅的解析はAffymetrix[○!R] GeneChip[○!R]解析/マイクロアレイを用いて行った。Sphere形成で発現が増加するTOP100位の遺伝子群リストを作成した。この内発現が10倍以上に増加する40遺伝子をまず選出した。次に高発現が不良な予後と相関する遺伝子群を複数のデータベースを用いて選出した。これによってTOP100位から7遺伝子を選出した。 1-3-2.Sphere特異的遺伝子発現メカニズムの網羅的解析と検証 ・Primary NB Tumor sphere遺伝子発現の細胞株における検証:神経芽腫細胞株でadherent細胞とTumor sphere細胞の2つの形態を可逆的に移行する株3種についてadherent細胞とTumor sphere細胞からRNAを抽出し、cDNAを作成した。株3種において、sphere細胞で発現が上昇する3遺伝子を、半定量的RT-PCRおよび定量的PCRで選出した。 ・同定された遺伝子のin silico解析:発現レベルの変化が見られた遺伝子については、Gene Ontologyデータベースを用いて遺伝子を検索し、さらにその遺伝子の持つGO term(生物学的プロセス;細胞の構成要素;分子機能)を検索して、その遺伝子の生物学的特性を検討した。膜タンパク質および転写因子等、神経芽腫の生物学的特性上興味深い遺伝子であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膜タンパク質および転写因子等、神経芽腫の生物学的特性上興味深い遺伝子が今回の研究によって同定されており、当初の目的を満たして進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今回同定した遺伝子群の生物学的解析を進行させ、特許出願をまず行い、その後に学会及び学術雑誌に報告する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度においては、Sphere特異的発現遺伝子(miRNAを含む)の網羅的解析のために、発現遺伝子のRNAシークエンスを行う予定であった。しかしながら、千葉県がんセンターに導入される次世代シークエンサーの納入に遅滞が生じ、H24年度においてはSphere特異的発現遺伝子を従来のAffymetrix(R)GeneChip(R)解析/マイクロアレイを用いて行った。H25年度には次世代シーケンサが稼動体制となるので、これを用いて、発現遺伝子のRNAシークエンスを行い、Sphere特異的発現遺伝子の検証を行う。
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