研究課題
平成26年度までに、神経芽腫の癌幹細胞性を制御する分子を同定し、難治性神経芽腫の新たな治療法を開発すべく、研究を進めてきた。癌幹細胞モデルとして、神経芽腫Tumor sphere 形成細胞を選択し、この細胞においてTumor sphere 形成時に発現上昇する遺伝子をマイクロアレイとRNA seqで解析してきた。この遺伝子群のうち、神経芽腫遺伝子データベースR2においてカプランマイヤー解析をした結果、高発現が不良な予後と相関する遺伝子群と、低発現が良好な予後と相関する遺伝子群、すなわちがん遺伝子的な性質を持つ遺伝群をスクリーニングし、数10遺伝子群に絞り込んだ。この結果をさらにRT-PCRとqPCRで検証して、明らかな上昇が認められた遺伝子のうち、膜型レセプターの補助分子)Co-receptor):CXXXと、がん幹細胞での重要な役割が想定される転写因子HXXXの2分子を中心に解析を行うこととした。この2分子の遺伝子発現を低下させるshRNA発現レンチウイルスをそれぞれ5種購入し、これらの分子をSphere形成時に発現する神経芽腫細胞株でノックダウンを行った。ノックダウンはRNAレベルでRT-PCRによって確認された。さらに、ノックダウン神経芽腫細胞においてはTumor Sphere形成が2種類の神経芽腫細胞株IMR-32とSNS-SANで確認された。このことはCo-receptor CXXXならびに転写因子HXXXがどちらも神経芽腫Tumor Sphere形成に重要な役割を持つこと、すなわち癌幹細胞性に重要であることを示唆するものであると考えられた。この2つの遺伝子のcDNAを取得し、レンチウイルスベクターに導入して神経芽腫における過剰発現を行い、活性化される遺伝子群パスウェイならびに抑制される遺伝子群パスウェイをマイクロアレイなどの網羅的手法にて現在解析している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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