我々は、ヒト ES 細胞から造血細胞を分化誘導し肥満細胞・好酸球を産生、胎生期における肥満細胞や好酸球の発生・発達を再現することに成功した。各種解析から、胎児期の初期においてはまず結合組織型TC型肥満細胞が発生し粘膜型T型肥満細胞は造血系の発達に伴い発生すると推測された。また好酸球と好塩基球は共通の前駆細胞を起源としている可能性が示唆された。さらにヒトiPS細胞から同様に分化誘導し、好中球機能異常症由来iPS細胞からのものと比較して、健常な好中球機能パターンを示す好中球を産生することに成功した。 これらの分化誘導系は自然免疫の発生と各種疾患の発生メカニズムの更なる解明に寄与することが期待される。
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