研究課題
前年度に引き続き、神経系細胞株を抗精神病薬存在下で培養したときのDNAメチル化変動についてのデータ取得及び、バイオインフォマティクス解析を行った。本課題で最終的に検討を行った抗精神病薬は、ハロペリドール、リスペリドン、クエチアピン、ブロナンセリン、ペロスピロンの5剤である。各薬剤について、血中治療有効濃度の上限と下限の2濃度について検討した。1週間の培養後、イルミナ社HumanMethylation 450Kアッセイを行い網羅的DNAメチル化状態の検討を行った。各薬剤で特異的あるいは共通して変動が認められるCpG部位の抽出を行い、GeneOntology解析やPathway解析などを行った。リスペリドンとハロペリドールに関してはTranscriptome解析を行った。神経系発達に関係する幾つかの遺伝子群については、遺伝子発現とメチル化状態に相関が認められたものの、大部分については直接的な相関関係は認められなかった。既に取得している精神疾患患者死後脳のDNAメチル化変異情報との対応をとると、両者間での重複はほとんど認められなかった。少なくとも細胞株の実験からは、患者死後脳における投薬の影響はごくわずかであると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry
巻: 56 ページ: 117-121
10.1016/j.pnpbp.2014.08.010.
http://www.molpsy.com/