研究課題
基盤研究(B)
At Risk Mental state (ARMS)患者、初回エピソード統合失調症(FES)患者、および健常者を対象に以下の検討を行った。(1)Voxel-based morphometryによる脳灰白質の比較:磁気共鳴画像(MRI)のDiffeomorphic Anatomical Registration Through Exponentiated Lie Algebra (DARTEL)により空間正規化を行い、SPM8を用いて脳灰白質を比較した。FES群の左前部帯状回の灰白質は、健常対照群より有意に減少していた。ARMS群は有意差はなかったが、統合失調症に移行した症例の左前部帯状回灰白質は減少傾向にあった。(2)脳下垂体体積の比較:MRI画像を用いて、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA axis)の活動性を反映すると考えられる脳下垂体の体積を用手的に計測したところ、ARMS群、FES群ともに、それぞれの健常対照群と比較して、脳下垂体体積が有意に増大していた。この結果は、統合失調症早期にHPA axisの過活動があり、進行性脳病態へ関与することが示唆された。(3)ミスマッチ陰性電位(MMN)以上の結果は、統合失調症の前駆期から初回エピソードにかけて脳病態の進行が認められ、それを鋭敏に検出することが早期診断に寄与する可能性を示している。
2: おおむね順調に進展している
データ収集の体制を整え、ほぼ順調に収集を進めている。また各検査モダリティ別の解析もほぼ計画通りであり、予備的な研究成果を公表している。
現在の体制を継続するとともに、複数施設からのデータを集積して、複数の検査モダリティの統合的な解析を進めていく。
研究進捗のための情報収集などを目的とした旅費の執行が次年度当初となったことを理由に、次年度使用額が発生した。次年度は当初に旅費を執行して情報収集を行い、その後はデータの収集と解析を推進するために計画的に予算を執行する。また、それらの補助業務に対する謝金を執行し、研究打ち合わせや成果発表も平行して進める。
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