研究課題/領域番号 |
24390283
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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研究分担者 |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10273632)
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | タウ蛋白 / XIAP / アポトーシス |
研究概要 |
タウ蛋白の重合・分解過程は未解明の部分が多いが、我々はタウ蛋白とタウ蛋白に対する結合蛋白との関係から研究を行ってきた。まず、神経細胞内に豊富に存在する14-3-3蛋白に注目し、14-3-3蛋白はタウ蛋白を自己重合させることが可能であること、タウ蛋白と14-3-3蛋白との結合親和性はSer214リン酸化によって著しく亢進すること、しかしタウ蛋白の自己重合はタウ蛋白のSer214リン酸化によって阻害されることなどを報告してきた。今回は、内因性アポトーシス抑性因子XIAPに注目し、XIAPはタウ蛋白と結合すること、タウ蛋白はXIAPのカスパーゼ抑制機能を低下させること、タウ蛋白をユビキチン化することを詳しく検証することにした。 XIAPとタウ蛋白の結合にはタウ蛋白のN末端が部分分解されているという蛋白修飾が必要であることを我々は予備的実験から確認していたので、新しくTag-free組換え蛋白質精製システムProfiniaシステムeXact(BIO-RAD)を用いて、リコンビナントの野生型タウと第1Metの切断された△Metタウを精製し、またXIAPの欠損変異体(XIAP1-351)コンストラクトを作成し、精製して、検証をおこなうことにした。 野生型タウおよび△MetタウとXIAPおよびXIAP1-351との間の結合性を検討したところ、△MetタウとXIAPおよびXIAP1-351との間の結合性は確認されたが、野生型タウとXIAPおよびXIAP1-351との間の結合性は認められなかった。また、XIAPおよびXIAP1-351のカスパーゼ抑制機能は△Metタウによって抑制されたが、野生型タウには認められなかった。そして、タウのユビキチン化に関しては、XIAPと△Metタウとの組み合わせにおいてのみ認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回新しくTag-free組換え蛋白質精製システムProfiniaシステムeXact(BIO-RAD)を用いて、リコンビナントの野生型タウと第1Metの切断されたΔMetタウを精製した。リコンビナント蛋白の可溶化のプロセスに時間がかかり、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
リコンビナント蛋白の可溶化のプロセスに時間がかかったため進捗に遅れが出たが、一応条件は設定されたので、今後はできるだけ一括・大量に精製して、研究を進めることにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
リコンビナント蛋白を一括・大量精製、およびそれを使用した研究、タウ蛋白のユビキチン化検討、PRGNの結合蛋白探索研究の推進に使用する。
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