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2014 年度 実績報告書

がん細胞は自身の生存をかけ放射線域を逃れるべく上皮間葉移行をなしうるか

研究課題

研究課題/領域番号 24390285
研究機関北海道大学

研究代表者

西岡 健  北海道大学, 大学院保健科学研究院, 教授 (80271659)

研究分担者 芳賀 永  北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (00292045)
安田 元昭  北海道大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (90239765)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射線生物学 / UTR / HIF
研究実績の概要

今年度の実験において我々は5'UTRおよび3'UTR依存性発現調節の候補遺伝子の機能解析を行った。5'UTR結合タンパク質に関してはSRSFファミリーが有望であると考えられた。これらタンパク質はHIF-laあるいはcMYCの5'UTRを挿入したルシフェラーゼリポーターからのタンパク質発現を数倍に活性化することができた。これら候補遺伝子の発現を、マイクロアレイにて比較したところ、予想通り高転移性株では発現が高い傾向が認められた。これらの発現が遺伝子プロモーター領域の配列の違いによるものか否かを判断するため、アレイ解析に用いた細胞のゲノムDNAを出発材料にしてプロモーター領域のシークエンスを行ったところ顕著な塩基置換は認められず、メチル化などのエピジェネティックな変化の解析が今後の課題として提起された。3'UTR依存性発現調節の候補遺伝子としてELAVLファミリータンパク質の1つであるELAVL2の機能解析を行った。ELAVL1はほぼ全ての細胞において多量に発現し主に核局在を示すが、ELAVL2は主に細胞質に局在する。ELAVL2導入細胞株ではELAVL1を導入した細胞よりも、ARE mRNA由来のタンパク質発現レベルが有意に上昇していた。蛍光タンパク質タグを付与したHuRを単独で強制発現させてもELAVL1は核局在を示したが、ELAVL1とELAVL2を同時に発現させた細胞では細胞質局在するELAVL1が認められた。two-hybrid法にて、ELAVL1どうしの結合よりELAVL1-ELAVL2間のほうがより強い結合であることが示された。この結合にはELAVL2のN末端、C末端領域が必要であった。ELAVL1の核から細胞質への局在変化にはELAVL2が大きく関わっていること、ELAVL2の発現量はがん細胞の悪性度と相関することが示唆された。これまで3'UTR依存性の翻訳抑制機構を担うと報告されてきたELAVL1はむしろHIF-1αの翻訳効率を低下させることが示され、従来考えられてきた調節機構はより複雑なものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cell type-specific reciprocal regulation of HIF1A gene expression is dependent on 5'-and 3'-UTRs2014

    • 著者名/発表者名
      Yasuda M, Hatanaka T, Shirato H, Nishioka T
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 16;447(4) ページ: 638-643

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2014.04.058

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activating Transcription Factor 5 Enhances Radioresistance and Malignancy in Cancer Cells2014

    • 著者名/発表者名
      S. Ishihara, M. Yasuda, A. Ishizu, M. Ishikawa, H. Shirato, H. Haga
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 09 Jul ページ: 1-8

    • DOI

      10.1007/s10616-014-9766-4

    • 査読あり
  • [学会発表] X-Ray Irradiation Induces Mitophagy and Cancer Metabolic Reprogramming2014

    • 著者名/発表者名
      T. Nishioka, H. Shirato M. Yasuda
    • 学会等名
      ASTRO (American Society for Radiation Oncology), 55th Annual meeting
    • 発表場所
      サンフランシスコ
    • 年月日
      2014-09-15

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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