本研究は、DNA-PKによるXRCC4のリン酸化を介したタンパク質間相互作用の調節機構を明らかにすること、それを利用した新たな放射線増感剤開発の可能性を探ることを目的として行った。XRCC4極C末端(XECT)領域の重要性の発見、XRCC4/LIG4複合体の核局在およびクロマチン結合制御機構の解明、細胞内でのDNA-PKによるXRCC4 S320のリン酸化の検出等の成果が得られた。これらの成果を踏まえ、XRCC4のリン酸化部位を模した合成ペプチドによる放射線増感試験を行ったが、期待した効果は得られず、ペプチド配列や導入方法等のさらなる検討が必要と思われた。
|