研究課題/領域番号 |
24390291
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富樫 かおり 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90135484)
|
研究分担者 |
片岡 正子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10611577)
木戸 晶 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80595710)
藤本 晃司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10580110)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | MRI / 機能温存治療 |
研究概要 |
本研究の3本柱は、1、子宮の動態評価2、骨盤内臓器の血管、血流評価3、拡散強調画像(DWI)による女性骨盤悪性腫瘍の治療効果、予後予測であった。これに対し、下記のような業績が得られた。子宮蠕動については評価断面を矢状断一断面から冠状断を加えての評価することにより、より詳細な蠕動の観察と考察が可能となった。子宮の動きが卵管方向へと向かっていることが画像的にも示されたことになる。今後、三次元蠕動解析へ進むにあたり重要な情報となった。また、蠕動に対する抗コリン剤の影響に関する研究では、その蠕動の抑制効果は、腸管蠕動の抑制効果よりもが短時間で弱いことが明らかにされた。子宮筋腫症例において、月経周期を同一に揃えた上で健常者と比較検討した結果、筋腫症例では健常者に比べて蠕動が弱いことが示された。上記、蠕動解析は現段階では視覚評価にて行っているが、自動解析ソフトの解析も昨年度に引き続いて継続し、結果につき検討中である。 子宮頸癌の術前化学療法の治療効果判定に関しては、潅流画像、拡散強調像、形態画像の比較評価を行い、結果的に形態画像が最も治療効果を反映していることが明らかとなった。日常臨床において簡便な手法の信頼性が高いことは臨床的に有益であると考えられる。 子宮動脈については、その最適な描出手法を確立した。更に、同手法を用いて閉経前後での描出の比較を行い、既報のドップラー超音波と同様の結果が得られ、本手法の信頼性の高いことが示された。本内容の論文は投稿中である。 拡散テンソル画像については、健常者における描出が可能となったので、筋腫患者での適応へ進んだ。現在この結果に関し解析中である。拡散強調像の一環である、Diffusion Kurtosis Imaging(DKI)についても子宮体癌に対してその有用性の検討を開始しており、結果は現在解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体として、概ね予定通り順調に成果を上げている。蠕動については、多くの結果を示しており、現在、次の三次元描出の段階へ移行している。また、拡散強調画像、テンソル画像の両者とも現在、結果をまとめている段階ではあるが、次段階の研究も同時進行中である。今年度の業績としては結果のまとめに時間を要する内容が多く、次年度以降になると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
子宮蠕動については、三次元~四次元撮影法の確立のためにMR装置の専門家と協議を重ねていく予定である。自動解析は、現状ソフトの改良を進めつつ、正常子宮から疾患子宮への応用へも進める。拡散テンソル画像では、筋腫以外の疾患への応用を視野に入れて症例の蓄積を進める。DWIに関しては、これまで10年以上にわたって蓄積されたデータの解析も進めていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現在解析中のデータも多々あり、次年度により経費がかかることが想定されたため。 昨年度、今年度に取り組んできた症例の蓄積、解析が進められており、次年度より各々の成果発表、論文化の機会が増えてくると予想される。そのため、学会関連旅費、成果をまとめる際の人件費を繰り越す形で計上している。
|