研究課題
本研究は、子宮の動態評価、骨盤内臓器の血管・血流評価、拡散強調画像(DWI)による女性骨盤悪性腫瘍の治療効果、予後予測を柱として進めた。1,子宮蠕動については、閉経前後の変化をMRIで認識される内層筋層Junctional zone(JZ)の厚さとの関連について検討を行った。蠕動は閉経後に有意に低下し、JZは厚さが薄くなる傾向が認められたが、閉経前・後各々において、JZの厚さと蠕動の間には相関関係は認められず、直接的な関連性は低いことが示され、子宮のJZは蠕動以外の働きも担っている可能性を示唆した。2,骨盤内膜症患者において内視鏡手術の前後での子宮蠕動の変化が認められるか検討を行った。内膜症の内視鏡術後に妊孕能の改善が認められることが知られている為、蠕動との相関を検討したが、現状では、まだ症例数が少ないため有意な結果は得られていない。今後も本課題については検討を継続する予定である。3,月経周期に伴う子宮内膜の変化について疾患群との比較検討を行った。結果、子宮内膜の厚さのみで正常内膜、殊に黄体期内膜と疾患内膜をMRI画像上鑑別することは困難であることがわかった。内膜信号については、その鑑別の要素となりうるが、overwrapは多いため、内膜信号の不均一性をとらえる必要を示し、画像による鑑別能の向上に貢献した。4,子宮頸癌の長期予後予測について、拡散強調画像から得られるADC値との相関を検討した。治療前のADC平均は、event free survival(EFS)と有意な相関が認められたが、overall survivalとの相関は認められなかった。多変量解析では、扁平上皮癌の患者においては、ADC平均は、FIGOstageやリンパ節転移等と同様に、独立した予後予測のbiomarkerであることが示され、画像から得られる定量値が、今後の治療予後予測に貢献しうることを示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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