研究課題
当研究の目的は、臨床及びヒト研究に応用可能な近接・一体型PET-MRI プローブを開発するにあたって、PET・MRI 間のさまざまな干渉を低減できるMRI 送受信コイル部分の開発を行うことである。最終年度の26年度は前年度までの実績を踏まえ、PETディテクタを一列全周性に装着できる頭部用バードケージ型RFコイルの作成を行い、その相互干渉・安全性などの基礎検討を行った。PETディテクタは最も近いところでRFコイルのエレメントより被験体に近接するように設計された。このような状況でもRFコイルのチューニングなどに問題はなく、臨床で一般的に用いる測定法での画像取得が可能であった。PETからMRIへの干渉に関してはMRI室外からの電源ケーブルにフィルターを挿入することと、PETディテクタに十分なシールドをすることで誤差レベルまでに低減することができた。MRIからPETへの干渉に関しても、測定されたPET情報を劣化させるものはなかった。相互干渉低減のために用いられたシールドボックスは導体であり、MRI信号に影響を与える可能性があったので、その評価も行った。シールドボックス内に発生する渦電流に起因する2次磁界を定量的に評価する測定法を用いて検討した結果、磁場勾配を高速で反転させる一部のシーケンスで画質への影響が確認された。この点に関してはシールド素材の改良などで渦電流の低減に成功しており、次の試作機においてこの技術を応用する予定である。安全性評価として発熱テストを光ファイバー温度計を用いて行った。すべてのケースでの検討は終わっていないが、これまでのところでは発熱はごくわずかで、一般的な安全基準を十分に満たすものであった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Radiol Phys Technol
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