研究課題
1. 前年度に終了した難治性食道癌に対するMAGE-A4特異的TCR遺伝子導入T細胞療法の解析を実施し、リンパ球減少性前処置を施さない場合、患者末梢血中に輸注細胞は輸注後14日間ほどは輸注量に比例して検出され、その後急速に減少するが低頻度で検出され続けること、ただし長期の血中存在と臨床効果は必ずしも比例しないことを見出した(Kageyama et al. Clin Cancer Res 2015 in press)。平成26年度にはシクロフォスファミドとフルダラビンによる前処置を実施後にMAGE-A4特異的TCR遺伝子導入T細胞を輸注する医師主導治験を実施中である。また。白血病/骨髄異形成症候群を対象にWT1特異的TCR遺伝子導入T細胞輸注療法の臨床試験を実施中であり、固形癌を対象にNY-ESO-1特異的TCR遺伝子導入T細胞輸注療法の医師主導治験を開始した(US-Japan Cellular and Gene Therapy Confrence、日本輸血・細胞治療学会東海支部会2015他)。2. 内因性TCRの発現を抑制する独自開発TCR導入ベクターを用いることにより、非自己のリンパ球に腫瘍特異的TCR遺伝子を導入しると、腫瘍特異的反応性の付与とともに非自己反応性の低下を示すようになる解析を発展させ、骨髄移植後の再発白血病患者を対象としたTCR遺伝子導入ドナーリンパ球輸注療法を行い、GvHD発症を抑えつつ、抗腫瘍効果をもつドナーリンパ球輸注療法の開発を進めた(慶應大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 2015他)。3. ファージディスプレイライブラリーを用いて、細胞内発現腫瘍抗原由来ペプチドとHLAの複合体を特異的に認識する抗体を取得し、これを用いたキメラ抗原受容体(CAR)の有効性を示唆する結果を示した(日本遺伝子治療学会総会2015他)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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