研究概要 |
1,臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を用いた、管腔形成能評価系の構築 マイクロRNAの血管新生に対する影響を評価するには、評価系の構築が重要になる。そこで最初に、HUVECを用いた管腔形成能評価系を構築した。HUVEC:20000細胞を増殖因子除去マトリゲル上に散布し16時間後に形成される管腔構造をThermo社の細胞イメージアナライザーArrayscan VTIにて客観的に定量する条件を見出した。 2,血管内皮増殖因子(VEGF)投与、VEGF中和抗体(bevacizumab)投与時の、乳癌細胞株、血管内皮細胞におけるマイクロRNA発現プロファイル解析 1で構築した管腔形成能の定量化法を用いて、HUVEC細胞の管腔形成能に影響を与えうるVEGFとbevacizumabの濃度を調べ、濃度依存的に管腔形成法がそれぞれ、促進、抑制された。その中からマイクロRNAプロファイル取得の際に用いる濃度として、VEGFは100ng/mL、bevacizumabは100ug/mLを選択した。この濃度のVEGF165と同モル濃度に当たるVEGF121、bevacizumabを、乳癌細胞株(MCF7, T47D, SKBR3, BT474, MDA-MB-231, MDA-NB-468, Hs578T)とHUVEC細胞、正常乳腺血管内皮細胞、に投与し40時間後の総RNAを取得し、マイクロRNAマイクロアレイを施行し、マイクロRNA発現プロファイルを取得した。現在、VEGFで発現更新かつbevacizumabで発現抑制される、またはその逆の変化をするマイクロRNAの同定を試みている。
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