研究実績の概要 |
1.VEGF-NRP1依存性のmiRの同定 平成24年度に乳癌細胞株25株と正常内皮細胞でのVEGFA, VEGFR1/2, NRP1/2の発現をRTPCR法で確認したところ、乳癌細胞株ではVEGFの受容体のVEGFR1/2の発現が内皮細胞に比較して格段に少ないか発現しておらず、NRP1/2は同等の発現をした細胞株もあった。そこでVEGFのauto/paracrineでのシグナルの流入口としてNRP1を想定してNRP1のloss of function実験を行った。VEGFとNRP1発現陽性のMDAMB231に対してshRNAをレンチウィルスで導入した細胞を作製した。RT-PCRにてNRP1発現が80%減弱された細胞を2株樹立した。この2株のVEGF発現が異なり、またmicroRNA発現プロファイルでもbevacizumab投与群と非投与群で有意なmicroRNAの変化が認められなかった。 2. miRBaseバージョン17を使用したmiR発現プロファイルの取得 今までのmicroRNAの発現プロファイルはmiRBaseバージョン14を使用したものであるが、microRNAをより網羅的に解析するためと、より再現性を高めるためにMDA-MB-231細胞にbevacizumabを投与した実験を複数回繰り返し、その標本からmicroRNAプロファイルを取得した。そこから、bevacizumab投与により発現増加するものとしてmiR-29c, 128, 138, 371a, 494 減少するものとしてlet-7 family, miR-30 family, 23b, 27b, 93, 99a/b, 100, 106b, 107 125a, 222がリストアップされた。
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