研究課題
本研究は、種々の癌腫において再活性化し治療標的としての応用が期待されているHhシグナルネットワーク系を見出し、Hhシグナル単独ではなく、Hhシグナルを考慮した新たな治療法を開発することを目的としている。当初計画に沿い、26年度は、1)Hhシグナルネットワークを標的とした治療実験、2)移植実験におけるHhシグナルネットワーク解析および組織病理学的解析、3)Hhシグナルネットワークを標的とした腫瘍幹細胞療法の検証、を行う予定であった。①肺がん:TrkB/BDNFシグナルが、Hhシグナル系と連関する可能性を示唆する結果を得、マウスを用いて、TrkB/BDNFシグナルが治療標的となり得る結果を得た。②大腸癌:Wntシグナルとネットワークを形成しないGli3活性化経路が存在し、大腸癌の新たな治療標的経路となることが明らかとなった。③乳癌:マウスを用いた治療実験および手術切除乳癌組織を用いて、乳癌幹細胞マーカーの1つであるCD24分子がHhシグナル系のligandであるShhを制御し、乳癌悪性形質誘導を制御する可能性を見出した。④胆嚢がん:Hhシグナル系の再活性化を確認し、マウスを用いた治療実験により、新たな治療標的としての可能性を見出した。⑤膵がん:低酸素環境耐性の膵癌細胞株を2株樹立し、低酸素環境耐性にHhシグナル系が関与していることを見出た。さらに、カワラタケの抽出物で癌に対する免疫賦活剤として臨床使用されているPSKがHhシグナル系およびHIF-1alphaシグナル系を抑制することで膵癌の悪性形質誘導を制御している可能性を、マウスを用いた治療実験で証明した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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World J Gastroenterol
巻: 20 ページ: 2335-2342
10.3748/wjg.v20.i9.2335
http://www.tumor.med.kyushu-u.ac.jp/