研究課題
本研究は、テーマに挙げた3課題を中心に進めた。1)肝幹・前駆細胞を細胞ソースに移植する場合の肝細胞置換効率を上げる手法の開発:マウスにおいて、肝臓に障害を与えると肝細胞由来の肝前駆細胞が一過性に出現する。ICAM+/EpCAM-の細胞で肝細胞マーカータンパク質を発現している。その細胞を株化することができ、免疫抑制マウス肝臓に移植すると成熟肝細胞に分化可能である(論文準備中)。成熟ラット肝臓から分離培養し出現したCD44+肝細胞中に継代可能な細胞が存在する。50回以上分裂可能な細胞で、肝細胞マーカー発現を維持している細胞で不死化しない。疾患肝臓への移植によって肝細胞置換可能か検討している。2)肝臓内在性幹・前駆細胞を活性化させることにより、肝再生を促進する手法の開発:ラット骨髄より分離培養した間葉系細胞が、内在性肝前駆細胞(SHPCs)の増殖を促進すること、間葉系細胞が分泌する液性因子が肝前駆細胞の増殖を促進することを見出した。また細胞移植を受けたラット肝臓のSHPCsでは、IL17RBの発現が亢進し、IL17B及びIL25が肝前駆細胞の増殖を促進している事を見出した。ドナー細胞が分泌する因子は直接的に肝前駆細胞に作用するばかりではなく、間接的に類洞内皮細胞やクッパ-細胞に作用し、IL17B、IL25をそれぞれの細胞から分泌させることで肝前駆細胞の増殖を促進していた。3)成熟肝細胞相当の分化機能を有し、胆管を組み込んだ類肝組織の形成方法の確立: マウス肝内胆管の発生過程や障害肝における小葉内胆管の増殖/消退過程を詳細に検討した。肝細胞が胆管上皮細胞に分化転換し、胆管構造を形成することや毛細胆管と小胆管の連結過程などが明らかになってきた。現在、この機序を利用してin vitroでの肝細胞と胆管を組み込んだ類肝組織の形成を試みている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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