研究課題
昨年度までに当初予定のPdx1-Cre; LSL-KrasG12D; CDKN2A-/-; Pdx1-DsRed2に変えてPdx1-Cre; LSL-KrasG12D; CDKN2A-/-; Pdx1-EGFPマウスを作製し、膵癌におけるPdx1の発現をEGFPで可視化可能であることを確認した。本年度は本膵癌モデルマウスを用いてPdx1発現細胞が膵癌幹細胞であるか否か検証を行った。モデルマウスの膵癌細胞を分離し、セルソーターを用いてPdx1陽性細胞を分離し、野生型マウス皮下でXenograft形成を観察した。すると、Pdx1陽性細胞からのみXenograftが形成されPdx1陰性細胞からはXenograftがされなかった。更にこれまでに同定した膵癌幹細胞マーカーであるCD44の二重染色を実施するとPdx1CD44共陽性細胞からのみXenograftが形成されることを明らかにした。次にこの細胞が転移能を持つか否か検討した。野生型マウスの脾臓に移植することで臨床的に膵癌の主要な転移先臓器である、肝臓への転移能を検証した。すると腫瘍形成能と同様、当該画分の細胞のみ転移能を有することが明らかとなった。これらのことからPdx1CD44共陽性細胞が腫瘍形成能・転移能を有する膵癌幹細胞であることが明らかとなった。次に膵癌幹細胞の転移先臓器の指向性があるか否か検討した。膵癌細胞を野生型マウスの脾臓へ移植した場合と尾静脈からの移植した場合の転移先臓器を検討した。すると脾臓移植では肝臓が、尾静脈移植では肺が主要な転移先臓器となることが明らかとなった。一方で、肝臓、肺に形成された転移巣を詳細に解析すると肺で形成された転移巣に比べ肝臓で形成される転移巣は転移巣の数が多くまた個々の転移巣の大きさも肝臓で形成される転移巣が大きいことが明らかとなった。すなわち、膵癌において肝臓が主要な転移先臓器である理由として血行性に近接するということのみならず、肝臓の微小環境が膵癌幹細胞の転移に適していることが明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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