(1)胃癌MKN45の腹膜播種モデルにて、NK105の腹腔内投与はPTX群と比較して、播種の成立を有意に強く抑制した。解剖時の肝腎機能には差はなく、NK105の腹腔内投与は播種に対してより高い有効性を示すことが推測された。(2)播種結節の表面は多数のCD31陽性の微小血管を含む繊維性膜様構造が存在し、PTXの腹腔内投与後はこの血管群を強く障害させることが判明した。(3)腹腔内CD90(+)間葉系細胞は腹腔内に散布された癌細胞を集合させ、その生育に適した線維性間質を誘導することにより、腹膜播種の成立を促進させた。この細胞を標的とするDasatinibの臨床応用の可能性が示唆された。
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