研究概要 |
本研究では、第四世代膵島分離技術を確立しその技術の臨床応用化することを目的としている。申請代表者は、ハーバード大学、京都大学、ベイラー研究所で膵島移植を実施し、第三世代膵島分離技術を確立した。本研究ではその技術をさらに発展させ、第四世代膵島分離技術を確立することを目的としている。平成25年度は、1. 新規臓器保存液(HN-1溶液)の安全性の確認、2. 新規純化溶液の安全性の検討、の2つを行った。 1. 新規臓器保存液(HN-1溶液)の安全性の確認 HN-1溶液で保存された膵から分離された膵島をマウスへ移植し、その安全性を検討したが、移植したマウスに副作用と考えらえる兆候、検査データはみられず、マウスレベルでは安全性を確認できた。ちなみに保存溶液中に存在する物質は、膵島分離中に理論上762,939,453,125,000,000分の1にまで希釈される。また、HN-1溶液で使用されている物質は、すべて既存の臓器保存液に含まれている物質であり、すでに臨床使用されているものである。 2.新規純化溶液の安全性の検討 連続比重・密度勾配によって純化された膵島を動物へ移植し、その安全性を検討したが、移植したマウスに副作用と考えらえる兆候、検査データはみられず、マウスレベルでは安全性を確認できた。純化後に行われる洗浄により、理論上、純化溶液は1,220,703,125分の1にまで希釈される。また、純化溶液で使用されている物質は、すべて既存の臓器保存液、純化溶液、および細胞洗浄液に含まれている物質であり、すでに臨床使用されているものである。
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