研究課題/領域番号 |
24390320
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
調 憲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70264025)
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研究分担者 |
前原 喜彦 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80165662)
米満 吉和 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40315065)
竹之山 光広 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (10309966)
吉住 朋晴 九州大学, 大学病院, 講師 (80363373)
岡野 慎士 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10380429)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 助教 (80432938)
相島 慎一 佐賀大学, 医学部, 教授 (70346774)
副島 雄二 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30325526)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝臓外科学 |
研究概要 |
われわれはまず、肝癌切除標本を用いて、programmed cell death-1(PD-1)、programmed cell death ligand -1(PD-L1)、腫瘍関連マクロファージ(tumor associated macrophage: TAM)、human leukocyte antigen class 1 (HLA class 1)の発現状況を明らかにした。PD-L1が肝癌に発現を認めること、 PD-L1の発現がTAMと相関していることが明らかになった。さらにPD-L1低発現、HLA class 1高発現のグループは、有意に予後が良好であることが明らかになった。このことはPD-1, PD-L1経路が肝癌における有望な治療ターゲットとなりうる可能性を示している(Umemoto Y, Shirabe K, et al. J Gastroenterol 2014)。さらにTAMのバイオマーカーとして末梢血のCD163が有望であることを示した(Ann Surg Oncol revised)。 IL-17, TAM, PD-1, PD-L1を検討する目的でマウス肝癌モデルを作成しtた。C57BL/6マウスにおけるHepa1-6の皮下腫瘍モデルを作成した。IL-17ノックアウトマウス、IFN γノックアウトマウスを交配し、ダブルノックアウトモデルを作成した。そのノックアウトマウスと正常のマウスで皮下腫瘍モデルを作成し、腫瘍の発育、転移状況を検討し、TAM, PD-1、PD-L1の発現状況を比較して、IL 17の関与を明らかにする。さらにわれわれが確立してきた腫瘍内樹状細胞療法(Kayashima H, Shiraeb K, et al. J Immunol 2010)を行い、比較することでIL-17などの働きを明らかにする。現在、これらの実験の前準備は完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PD-L1、PD-1経路の臨床上の重要性は確認できたが、IL-17のノックアウトの安定性に問題性があり、時間が経過したが、現在確実性の高いモデルが完成したので、この1年で結果が得られると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
IL-17, TAM, PD-1, PD-L1を検討する目的でマウス肝癌モデルを作成しtた。C57BL/6マウスにおけるHepa1-6の皮下腫瘍モデルを作成した。IL-17ノックアウトマウス、IFN γノックアウトマウスを交配し、ダブルノックアウトモデルを作成した。そのノックアウトマウスと正常のマウスで皮下腫瘍モデルを作成し、腫瘍の発育、転移状況を検討し、TAM, PD-1、PD-L1の発現状況を比較して、IL 17の関与を明らかにする。さらにわれわれが確立してきた腫瘍内樹状細胞療法(Kayashima H, Shirabe K, et al. J Immunol 2010)を行い、比較することでIL-17などの働きを明らかにする。以上から、PD-L1, PD-1抗体による治療が有望で効果予測が可能なバイオマーカーが明らかになる可能性がある。
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