研究課題/領域番号 |
24390323
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
山本 雅一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)
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研究分担者 |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40277158)
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60264876)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 胆道癌 / 糖鎖構造解析 / レクチン / 糖蛋白質 / バイオマーカー |
研究概要 |
胆道癌は胆道の慢性炎症を背景に発生してくることより,従来の腫瘍マーカーは炎症病態の影響によりその診断学的有用性は乏しい.本学。筑波大学と産業技術研究所糖鎖医学センターとの共同研究(新エネルギー・産業技術総合開発機能 (NEDO)の「糖鎖機能活用技術開発プロジェクト」)にて,比較糖鎖プロファイリング解析により,胆管癌組織より有用なプローブレクチンとしてWisteria floribunda agglutinin (WFA)を見出した.また,糖鎖分子のコア蛋白についてLC/MS解析を施行し,粘液糖蛋白分子(ムチン)として,MY.1E12抗体で認識されるsialyl mucin core polypeptide 1 (MUC1)を同定した. 多数の臨床標本を解析するには簡便な測定システムの構築が必須であることより,WFAを固相化し,MY.1E12抗体をオーバーレイするサンドイッチELISAを構築した.その後の胆汁測定値の解析(ROC解析)より,WFA-MUC1は従来マーカーであるCA19-9と比較して,胆管癌と良性胆道疾患との識別において優位性を示した.さらに,胆汁細胞診と比較しても優位性を示すことも判明した. そこで,厚労省研究班(難治性肝胆道疾患)をベースに臨床試験を立案計画し,胆管癌マーカーとしての胆汁および血清におけるWFA-MUC1の測定意義に関するバリデーションに着手している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高感度糖鎖プロファイリング解析により,レクチンWFAが肝内胆管癌の癌部上皮に特異的に増加することが判明した.また, MUC1 がWFAのキャリアー蛋白であると推測された.レクチン-MUC1抗体による簡易サンドイッチアッセイ系を構築したところ,従来の胆管癌マーカーであるCA19-9 と比較して優位性を示すことが判明した.本研究の意義は胆管癌に特異的な糖蛋白質マーカーを見出した点にある.
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今後の研究の推進方策 |
多数の臨床標本を解析するには簡便な測定システムの構築が必須であることより,WFAを固相化し,MY.1E12抗体をオーバーレイするサンドイッチELISAを構築した.その後の胆汁測定値の解析(ROC解析)より,WFA-MUC1は従来マーカーであるCA19-9と比較して,胆管癌と良性胆道疾患との識別において優位性を示した.さらに,胆汁細胞診と比較しても優位性を示すことも判明した.そこで,厚労省研究班(難治性肝胆道疾患)をベースに臨床試験を立案計画し,胆管癌マーカーとしての胆汁および血清におけるWFA-MUC1の測定意義に関するバリデーションに着手している.
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次年度の研究費の使用計画 |
腫瘍マーカーの測定に使用するキットの購入を4月に予定したためである. 腫瘍マーカーの測定に使用するキットの購入を4月に予定したためである.
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