研究課題
本研究の目的は、胸膜中皮腫に対して末梢血から採取した患者の自己γδT細胞にメソテリン特異的受容体遺伝子(MesoCAR)を導入し、中皮腫細胞特異的なγδT細胞として再び患者に投与する治療の開発である。昨年度までに、移入治療に用いるMeso-CAR+ γδT細胞の最適化、そしてin vitroでのMeso-CAR+ γδT細胞と、Meso-CAR+ αβ T細胞の反応性を比較検討した。今年度はこの二種類のMeso-CAR+T細胞について、in vivoでの比較検討を行った。まずは、CARを導入したγδT細胞(MesoCAR+γδT細胞)と、導入していないγδT細胞(MesoCAR-γδT細胞)について、ACC-Meso4担癌NOGマウスに3日おきに腫瘍内へ投与しin vivoでの抗腫瘍効果を検討したところ、MesoCAR+γδT細胞は有意に腫瘍増殖を抑制した。 次に、MesoCAR+γδT細胞とαβT細胞との比較をin vivoで行った。ACC-Meso4担癌マウスに対する養子移入において、Meso-CAR+ γδ T細胞はαβT細胞よりも強い腫瘍増殖抑制効果を示した。また、別の中皮腫細胞株M108を用いたところ、γδT細胞はαβT細胞と同等の腫瘍増殖抑制効果を示した。In vivoにおいてMeso-CAR+ γδ T細胞はαβT細胞と同等がそれ以上の抗腫瘍活性を有することが確認された。さらに、Meso-CAR+ γδ T細胞移入においては、正常組織に対する副反応は見られず、移植片対宿主病(GVHD)も誘導されなかった。Meso-CAR+ γδT細胞を用いた免疫治療は、胸膜中皮腫や他のメソテリン発現悪性腫瘍に対して、副作用を起こさずに抗腫瘍効果を発揮する可能性が示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Thoracic Oncology
巻: 11(3) ページ: 324-33
10.1016/j.jtho.2015.11.006.
Cancer Immunology Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Breast Cancer.
http://immunoth.umin.jp/result/index_03.html