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2012 年度 実績報告書

低体温導入及び復温に伴う心筋蛋白質リン酸化(脱リン酸)の網羅的プロテオミクス解析

研究課題

研究課題/領域番号 24390328
研究種目

基盤研究(B)

研究機関島根大学

研究代表者

織田 禎二  島根大学, 医学部, 教授 (50448198)

研究分担者 松本 健一  島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202328)
清水 弘治  島根大学, 医学部, 助教 (70548578)
末廣 章一  島根大学, 医学部, 助教 (90596545)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード心臓大血管外科学 / 低体温 / 心筋 / リン酸化 / プロテオミクス
研究概要

ラットを全身麻酔下に冷却・復温する過程での1)心機能変化、2)自律神経機能活動変化、3)心筋蛋白質リン酸化(脱リン酸)の網羅的解析を行い、3者の関連を探る中で低体温の心臓に与える影響を検討する研究である。低体温・復温は、表面冷却・復温法と体外循環を用いた中心冷却をそれぞれ用いる計画である。
平成24年度は、ラットを全身麻酔下に表面冷却・復温して、その過程の心機能変化、自律神経活動変化について検討を行い、実験最後にラット心筋を採取してリン酸化を中心したプロテオミクス解析に備えた。その結果を以下に示す。
1)ラット心機能について心尖部より挿入したコンダクタンスカテーテルにより、pressure-volume loopを作成し、IVC閉塞にてend-systolic elastance (Ese)を計測し負荷条件に依存しない左室収縮性指標とした。また拡張能指標として、end-diastolic volume elastance (Eed), time constant of isovolumic relaxation (τ)を計測した。37℃→30℃→23℃→30℃→37℃の冷却・復温過程での各値の変化は、Ees(mmHg/ml) : 3472±2869→8710±7077→5150±1901→3917±1835→3131±823 ; τ(msec) : 11.6±3.9→23.8±6.0→40.9±5.9→24.0±7.0→11.0±3.4と変化した。収縮能は低体温で増加したが、さらに冷却するとやや低下し復温で低下して最終的には前値よりやや低下した。拡張能は冷却で著明に低下し、復温で完全に回復した。
2)自律神経活動変化、心筋蛋白質のリン酸化を中心とした網羅的解析については現在データを解析中である。
3)ラット人工心肺装置の開発は、当初の予定を早めて開始したが、十分なフローが出せないため、現在改良を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

心機能の解析は予定通りである。自律神経活動変化、蛋白質リン酸化解析は平成25年度前半に集中的に行う予定である。ラット人工心肺回路の開発は必要な対策を講じているところであり、最終的には計画通りに進むものと考えている。

今後の研究の推進方策

ラット人工心肺回路の改良について、企業側の協力を得て進めていきたい。また自律神経活動解析についても新しい解析法を外部の研究者と共同で進めている。ラット心機能解析はコンダクタンスカテーテルを用いて解析に成功したが、さらに心臓超音波法でも解析を行う予定としている。

次年度の研究費の使用計画

実験のための薬品が当初の予定より少ない量で済んだため、追加購入の必要がなく繰越金が発生した。次年度、ラット動物実験にかかわる費用、心筋蛋白質のリン酸化を中心としたプロテオミクス解析費用、ラット人工心肺回路購入・開発費用などに充てる予定である。

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公開日: 2014-07-16  

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