研究課題
・悪性胸膜中皮腫のバイオマーカーに関するこれまでの研究で、既存のCellSearchシステムにより検出された末梢血液中循環腫瘍細胞(CTC)が中皮腫のバイオマーカーとして有用である可能性を示した。しかしながらCellSearchは、1)検出感度は早期診断や微小転移の検出には検出感度が不十分、2)検出系が細胞表面のEpCAM発現に依存しているために中皮腫ではEpCAMを発現する一部の腫瘍細胞のみしか補足できないことから、より高感度かつEpCAM非依存検出システムの必要性が示唆された。本研究では新規CTC検出系をはじめとするバイオマーカーの研究開発を計画し以下の研究成果を得た。・国産の高感度“シャトル(汎用)”チップに抗EpCAM抗体を結合させEpCAM発現陽性細胞株の高感度補足が可能なことを確認し、次いで中皮腫に高発現しているD2-40に対する抗体をチップに結合させ中皮腫細胞株の捕捉が可能であること示した。・更に血液に浮遊した腫瘍細胞株の捕捉感度の更なる向上のために基礎研究を更に行い、捕捉用抗体の濃度やchipへの結合法の改良を行った。その結果、この新しいchipシステムにより血液中に浮遊した複数の中皮腫細胞株の捕捉率が数倍以上(50-70%)に向上を認めた。・またCellSearchによるCTCと他のマーカーとの組み合わせにより診断能向上が図れるか否かについても検討を行った。その結果、CTCとCEC(末梢血液中の循環内皮細胞)や血清中SMRP(可溶性メソテリン関連分画)を組み合わせると診断能、特に感度が向上し、CTC単独での感度と比較して3倍以上の感度(76%)が得られた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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