研究課題/領域番号 |
24390342
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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研究分担者 |
地藤 純哉 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50534161)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 非常勤講師 (20213142)
椎野 顯彦 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 准教授 (50215935)
中村 紳一朗 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (50307980)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脳動脈瘤 / 動物モデル / 薬物治療 / 分子生物学 |
研究概要 |
脳動脈瘤動物モデル(ラット、マウス)を用いて証明してきた脳動脈瘤発生増大に関わる因子を、新たな脳動脈瘤モデル(サル)において分子生物学的、組織学的に検証し、さらに破裂モデルを確立したのち脳動脈瘤破裂に至る機構の解明を行い、破裂予測因子が同定された場合、これをMR画像追跡する。また、ラットモデルにおいて証明してきたstatin製剤による薬物治療の効果を大型動物(サル)においてMR画像を含め検討し、臨床応用展開への基礎資料とする。ラットにおける炎症カスケード活性化解析、薬物効果解析、サルモデル動物確立の準備研究は、先行研究(基盤研究B:平成21~23年 研究代表者 野崎)において行われてきた。 (平成25年度) ラット脳動脈瘤破裂誘発モデルの開発準備とサル脳動脈瘤モデルの解析システムの確立を行った。ラット脳動脈瘤破裂モデルでは破裂事象頻度が低く、さらなる検討が必要である。サル脳動脈瘤モデルは確立し、動物用マイクロCT、7T-MR(Varian社製Unity INOVA)を用いた検出を継続中である。ラット誘発脳動脈瘤壁における遺伝子発現を免疫組織化学的に検討し、特にTNF-aの強い関与が確認され、またTNF-a抑制剤による脳動脈瘤形成抑制効果が確認された。本研究につき学会発表とともにJ of Neurosurgerに投稿し2014年3月に掲載された。サルではスタチン製剤投与による脳動脈瘤への影響をMR画像により追跡検討しており、引き続き個体数を増やして行う予定である。また、新たな抗炎症剤を用いた脳動脈瘤形成抑制効果実験を開始した。同時にサルの正常動脈の解剖につき固定標本を用いて解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳動脈瘤動物モデル(ラット、マウス)を用いて証明してきた脳動脈瘤発生増大に関わる因子を、新たな脳動脈瘤モデル(サル)において分子生物学的、組織学的に検証し、さらに破裂モデルを確立したのち脳動脈瘤破裂に至る機構の解明を行い、破裂予測因子が同定された場合、これをMR画像追跡する。また、ラットモデルにおいて証明してきたstatin製剤による薬物治療の効果を大型動物(サル)においてMR画像を含め検討し、臨床応用展開への基礎資料とする。ラットにおける遺伝子発現解析、サルにおける薬物治療効果解析を中心にデータ蓄積が行われ、ラットにおいては一部結果につき論文で発表済みである。サルについてもMR撮像が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ラット脳動脈瘤破裂モデルの開発では破裂事象の頻度が低く、血圧の過度の上昇などの方策が必要と思われる。ラビット脳動脈瘤モデルは他施設で確立しており、最終年度でサルにおいて確立されたMR撮像条件をラビットおいて同様の画像追跡を行うためのMR条件設定を検討する予定である。7T-MR(Varian社製Unity INOVA)を用いた脳動脈瘤検出は順調に進んでいる。ラット誘発脳動脈瘤壁における遺伝子発現を免疫組織化学的に検討しているが、サルにおいても薬物効果判定後に行う予定である。細胞分子マーカーの対象因子として、ラットにおいてNF-kB, TNF-aと関わる因子につき検討予定である。サルではスタチン製剤を含めた薬物投与による脳動脈瘤への影響を画像および組織学的に検討する。
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