研究概要 |
中枢神経原発悪性リンパ腫50症例の凍結組織サンプルのゲノム解析データを基盤とし、幹細胞、薬剤耐性細胞株を樹立し (1)遺伝子発現情報、 (2) microRNA、(3)次世代シーケンサーを用いた全エクソン解析を行い統合的な統計解析を進めin vitro, in vivoの実験後にバイオマーカー、治療標的遺伝子を選択し、さらに創薬に向けた研究を展開する事を目標に研究を継続している。 現在まで、枢神経原発悪性リンパ腫腫瘍組織と末梢血正常リンパ球を次世代シーケンサーを用いた全エクソン解析がほぼ終了し、情報解析中である。また、mRNA, miRNAの解析から患者の予後と相関する分子を選択し、in vitro, in vivoの確認実験中である。mRNAに関しては、マイクロアレイのデータから発現レベルと患者の生存日数とをRadom survival forest法を用いて解析を行い、患者の生存と相関のある25の遺伝子を選択し、それらの遺伝子の発現値を用いた予後予測式を考案した。 さらに、25種類の遺伝子の中から3種類を選択して、簡便な予後予測式も考案した。miRNAに関しても、同様な方法で19種類の分子を選択し、さらに3種類の分子を用いた簡便式を考案した。以上の、選択されたmRNA, miRNAを培養腫瘍細胞に導入し、細胞増殖能、薬剤耐性の変化などについて実験中である。また、中枢神経原発悪性リンパ腫細胞株を用いてMTX薬剤耐性細胞株を樹立しつつあり、そのmRNA, miRNAの発現プロファイルの特徴につき検討を進める予定でいる。 以上の、研究結果を統合し、疾患特異的なバイオマーカー、治療標的遺伝子を選択し、創薬に向けた研究を展開する予定である。
|